乾燥機

あの頃。の乾燥機のレビュー・感想・評価

あの頃。(2021年製作の映画)
4.8
「あの頃。」という映画を観た。

皆様には「推し」という存在は居ますか?
もしくは趣味や好きなものはありますか?

もしも居るなら、もしもあるなら、あなたはヲタクです。

以前、妹に「周りの人にヲタク呼ばわりされる」と相談されたことがある。

僕は、こう答えた。
「何かすごく好きなものがある人をヲタクって呼ぶんだから今の時代に生きてて、何に対してもヲタクにもなれない人の方がしょうもないと思うよ。だから気にしなくて良いよ。」

僕もヲタクだし、きっと大概誰もがヲタクだと思う。

本作は、だからこそ多くの人におすすめしたい映画だ。

まずは、あらすじ。

主人公・劔樹人(つるぎみきひと)は、バンドでベースを担当していた。

それは自分が好きで始めたことで、間違いなくやりたいことだった。

けれど、何故か楽しくなかった。

そんな消費するだけの日々を送っていたある日、友人から松浦亜弥のDVDを貰う。

そして部屋で一人でコンビニの弁当を食べながら何気無くDVDを観ていると彼の頬に涙が伝った。

初めて推しに出会った彼の人生は、ここから変わっていく、、。


本作では、松坂桃李さんが劔樹人(つるぎみきひと)さんという実在する人物を演じている。

松坂桃李さんを含めた主要キャラクターが皆魅力的で面白い。

個人的に若葉竜也さんとロッチのコカドさんのキャラクターがすごく好きだった。


終盤で描かれていく仲野太賀さんと松坂桃李さんの役柄の関係性が本当に素敵だった。

「なんでも笑ってしまえばいい」というスタンスの友人関係が成立してるメンバーが理想的だと感じた。

「あの頃。」というタイトルの映画だが、これほどまで「今」を好きになるコツを教えてくれる作品は他にないと思う。

今を好きでいたいなら、好きなことを好きな人達としていれば良いだけだ。

僕らはそうやって好きなことを見つけ続けて人生で一番楽しい今という瞬間を生きていくべきなのかもしれない。

この映画を観て、そんなことを思った。
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