題材への思い入れもあり、楽しみにしていた作品。ハロプロに対し、知識があったのもプラスに働き、とても楽しめた。
ハロプロに熱中する姿を懐古し、素晴らしい青春として巧く描いている。それだけでなく、他にも同じぐらい大切なものが存在するようになった現在の人生も美しいとする姿。どちらも前向きで素晴らしい。
今泉監督も述べていたけど、アイドル文化を表現するにあたって、理解できないものとして突き放さないのは当然としても、過度に美化し過ぎてない、言ってしまえば生々しい現実的な表現で見せてくれていた部分が個人的に良かった。
そんな自分でも割と不快だなと思った内輪ネタを外のイベントに持ち込み過ぎだやという場面もあったけど、個人的に不満点はそこぐらい。
そして、この作品は(特に前半)ハロプロの知識があった方が楽しめるのは事実。ハロプロを好きになって歴史を遡り、結局、つんく♂を好きになるのはあるあるだし、今が一番美しいとする道重さゆみの名言も今作に重なっている。作中に何度も出てくる『恋ING』は最高。
やはり演技で印象に残るのは仲野太賀。『泣く子はいねぇが』を観た時と同様で何度、彼に泣かされるのか… 本当に良い役者だと思った。
［2021年 41本目］
