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ラスト・ショーのleylaのレビュー・感想・評価

ラスト・ショー(1971年製作の映画)
3.8
久しぶりの再鑑賞。記憶は薄れていたけど、プールで女子が下着を脱ぐシーンだけは鮮明に覚えていた。どんな記憶力。

1951年、テキサスの田舎町を舞台に高校生たちの1年間を描いた青春作品。

寂れた田舎町で起きる日常的な出来事を綴っているだけなので、地味だし、決して面白くはないけど、空虚で乾いた雰囲気に惹かれる。

エッチのことばっかり考えている高校生たち。主人公サニーはゲイのコーチの妻と関係を持ち、サニーの友人のデュエーンは彼女に振られ、大切な人が死に、やがて人々はこの町を去り、ダイナーや映画館も閉鎖される…

田舎の閉塞感と、時代の移り変わりの寂寥感。ノスタルジーというには寂しすぎるモノクロームの映像。ひと気のない街に、乾いた風の音だけが響くラストが沁みる。

脚本家ラリー・マクラトリーの故郷アーチャーシティでのほぼ実話で、撮影も行っている。保守的な町なので、当時は“町の恥部がさらされる”と人々が動揺したのだとか。(作品内では違う町の名)

若いジェフ・ブリッジス、あどけなさが魅力のティモシー・ボトムズ、渋みのあるベン・ジョンソンがよかった。

50〜60年代のアメリカの青春ものってあまり面白くはないのに何故か好きで『アメリカン・グラフィティ』『ダイナー』と並び今作も印象に残っている作品。
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