のり

ラスト・ショーののりのレビュー・感想・評価

ラスト・ショー(1971年製作の映画)
2.8
ピーター・ポクダノヴィッチ鑑賞2作目。テキサスの閑散とした田舎町で性に翻弄され、葛藤される若者たちを描いたモノクロ青春映画。

町の若者たちは事あるごとに誰かの耳に伝わってしまう閉塞感の中で青春を送っていた。登場人物の中にはおばさんに手を出したり、処女を恥じたり、1人の女を巡り親友同士で喧嘩をしたりと自分の性欲に訴えかけるしかない若者が多々出てくる。もちろん若い時期は性欲盛んなのは当たり前だが彼らが結局それぞれ望まない形の結末になることから彼らが住む町の閉塞感や同じように性に翻弄される自分勝手な大人たちに囲まれた環境が彼らをこうしてしまったのかもしれない。

唯一若者たちの模範的存在だった大人がサムと呼ばれるビリヤード場の店主。彼の言葉は若者たちの心に重く響く。

終盤には変わっていく町。古き良き時代も若者たちの青春とともに儚い。
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