パレスチナ出身の父とイスラエル出身の母を持つ少年・エイブ。
本作は、パレスチナ・イスラエル問題に触れつつ、一人の少年のひと夏の挑戦を描いた物語。
ことあるごとに宗教の話で対立するエイブの家族たち。
宗教は、人によってはアイデンティティの根幹に関わるものである。
でも宗教に限らず、人はそれぞれ心の拠り所や譲れないものがあって、本作はそういった宗教を越えた様々な問題に当てはまる。
一見相容れない意見でも、「互いに歩み寄る」ことや「共感はできなくても尊重する」。そうして寄り添いあえば、想像しなかった新たな素敵なモノが生まれるかもしれない。
少し引っ掛かったのが、中盤からクライマックスにかけての展開。少し単純に感じて、個人的にはもうひとひねり欲しかった。
―総評―
料理が好きな少年が主人公というだけあって、様々な国々の美味しそうな料理がたくさん出てきて見ているだけでお腹がすいてくるし、SNSを使った現代的な演出やエネルギッシュな音楽など、観ているだけでわくわくしてきます!
宗教問題だけでなく、少年の冒険、そして親の成長など様々なテーマを含んだ作品です。
90分弱と短いのでサクッと観られますし、メッセージ性がしっかりありながらもお子さんにもおすすめできる作品です。