Marguerite

エイブのキッチンストーリーのMargueriteのレビュー・感想・評価

4.2
食事は生きる上で誰にとっても欠かせないもの。人によっては宗教も食事のように欠かせず譲れないものなのかもしれない。
複雑な宗教的背景を背負っているエイブ。彼の誕生日会で歌われるバースデーソングから分かる宗教の多様性。お祝いの歌なのにそれぞれを同時に歌うと不協和音に。あそこまでバラバラだともう清々しいくらい(笑)エイブは気まずいよねぇ…

そんなギスギスしている家の中でのエイブの心の拠り所は料理。美味しい料理を食べているとき、人は心がほぐれたり落ち着いたり、いつもより正直になれたりする。エイブはそんな瞬間を家族と共有するために料理をしていたのかな。食は争いの種にもなるけれど、反対に仲直りや異文化を受け入れるきっかけにもなるのだとエイブが教えてくれた。

エイブの成長物語に見えるけど、実は「異文化を受け入れる」という大人たちの成長物語なのかもしれない。

ずっと我慢して緊張していたエイブ。お疲れさま。最後に溜まっていた感情を出せてよかった!信念がある子は強いね、やっぱり。
Marguerite

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