ななこさん

ジャパニーズ スタイル Japanese Styleのななこさんのレビュー・感想・評価

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奇跡の映画だと思う。

2019年から、2020年への年越し。
まさにコロナ元年を迎えんとする、「コロナ前夜」の映画なのだ。
横浜みなとみらいの大観覧車の電光時計が、23:59から0:00に変わり花火が上がった瞬間、彼は彼女を抱き上げ走り出す。
ちなみにこれは、本当に、2019年12月31日から2020年1月1日に日付が変わる瞬間を撮っている。合成とか、別の日の23:59ではないのだ。
(そしてその20日後、あの場所からダイヤモンド・プリンセス号が出港するわけだ。そして、始まってしまうのである、今日に至るまでの、コロナデイズが。)

このいとおしい映画の主人公の彼と彼女は大晦日に空港で出会い、その後トゥクトゥクを駆って街中を疾走し半日間を共に過ごしたのち、年を越す。トゥクトゥクの座席に並んで座り、コンビニで買ったどん兵衛だったか緑のたぬきだったかに卵を割り落とし、おいしいね、んまいな、と言いながらカップそばを啜る。この映画を観ていたらカップ麺が食べたくなったというレビューを散見したが、スケート場ではカップヌードルのカレー味食べてたもんね、人が食べてるカップ麺はどうしてあんなに美味しそうなんだろう。

年越しそばも食べ終えて二人は彼の部屋へ。ここからのベッドシーンが最高、と言うレビューが多いけれど、あれ、ベッドシーンか?並んで横たわっているのはほんの数十秒で(もちろん着衣のまま)、その後は予告編にある通り、薄暗い部屋でわちゃわちゃする梨奈ちゃんと界人クンの爆笑コントショウが繰り広げられる。セックスはおろか、キスすらしてないよ。
でもあれは、れっきとしたラブシーンだ。しかも、近年稀に見る、かなり秀逸な。
おじさんおばさんが思わず目を細め、「そうだそうだ、自分たちもあんなんだった」と甘酸っぱい想いをかみしめる。彼らと同世代ならなおのこと、「わかるわかる、ウケるー」となるだろう。要するに、リアルなんですよ、とっても生々しい。特に女は梨奈ちゃんの気持ちが手に取るようにわかる。何日も前にデートの約束をして、ひょっとしてひょっとするかも、などとドキドキしながら念入りに下準備(?)をして彼の部屋に来た、わけではないのだ。界人くんのことを好きになってしまって、好きで好きで、気持ちはほとばしるけれど、だからってこういうとき、女にはいろいろと都合があるものだ。でも好き、抱いてほしい、でも、でも、でも、なのだ。界人くんが吸いつこうとするとドンと押し返す、えー?えええええ?と界人くんは混乱する、(まぁ梨奈ちゃんなら界人くんくらい軽く投げ飛ばせるんだろうけどここでは普通のか弱き女子の設定です)、イヤなら無理にする気はないとばかりに身体を離せば走って抱きついてくる、ならばとブチューと唇を突き出せばグイっと頭を押さえつけられる、界人クンのぅああっ?おお?えええええっ???が今も耳から離れない。

ああ、なんという愛おしい、愛すべき映画。
もうあの、コロナのコの字もなかったあの世界はもう、どうやったって取り戻すことはできない。涙が出る。

ラスト、高速を疾走するナンバー567のトゥクトゥク、そのままETのように空を飛んで時空を超えて、パラレルワールドでコロナのない世界に降り立ってほしい。
ファッキンニューノーマル!



2回目
2023年1月28日 シネマスコーレ

ワタクシ、50ウン年生きてきて、まぁそこそこな数の、ボーイミーツガール・ムービーを観てきたわけですが、なんだかねぇ、これねぇ、ワタシ史上ベストワンになってしまったみたいです(ボーイミーツガールものでネ)

年を取るごとに、若い子たちの惚れた腫れたなんてホントどーでもよくなってきて、ハイハイご苦労様、てなもんだったんだけどね、今回、久しぶりにちょっと胸がアツくなるというか、グッときましたわー
好きです、ホントに

2023年1月26日 シネマスコーレ

クラファンしたんでね、リターンでチケットもらってたんだけど、使わずに、窓口でチケット買いました、応援のつもりでね

この映画、予告見たときに、もう好きな匂いしかしなくてねー

武田梨奈ちゃんはもともと好きだったし、界人くんもいいにおいのする映画の時からずっと注目してたけど、この映画でもう、完全にやられちまった、なんちゅーいい顔するのよ‼

界人クンのどアップを堪能する映画ですね

意図してかせずかはわからないけど、エターナル・サンシャインのオマージュ的なシーンもあります

あとね、トゥクトゥクのナンバーに注目‼️

ちょっと気になったのは飲酒運転ね
まぁ映画だから大目に見てあげましょう、映画だからね
現実世界では絶対ダメよ!!
ななこさん

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