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泣く子はいねぇがのyoshiyoshiのレビュー・感想・評価

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
4.4
今年見た映画の中で一番感涙した映画といって過言ではありませんし、今まで見た映画の勝手な個人的ベスト映画50には入ってくる良い映画でした。
中野太賀さん吉岡里帆さんの演技もよかったですが、脇を固める演者さん達も安心して見られる人ばかりでした。特に柳葉敏郎さんのネイティブの方言もちゃんと映画を締まったものにした要因の一つだと思います。あの”秋田の人が無理して標準語をしゃべるとこういう言い方になるんだよなっ”ていう感じは演技ではできないので、ネイティブスピーカーのベテラン演者、柳葉敏郎さんを入れたのは大正解だと思います。日本人がLとRの発音ができないのとおんなじで方言はどんなに特訓しても難しいですからね。
映画は中野太賀さん演じる父親が、秋田から逃げ出すところから始まるわけですが、吉岡里帆さん演じる妻は必要以上に中野太賀さんをせめすぎだと思います(まぁそういう演技なわけですが)、男はあんなに責められたら居場所がなくなってしまうと思う。
もう100%中野太賀さん演じるダメ父目線で見てしまったので、吉岡里帆さん演じる妻の葛藤や思いはあんまり入ってこなかった・・・ 笑
個人的に吉岡里帆さんは好きなので、特に中野太賀さん演じる父の思いが身にしみました。
秋田や田舎の独特の閉塞感や、掟や決まりごとの重要性、母親や兄の微妙な主人公との距離感は十分に映画の中で表現できいると感じました。
映画監督さんは、やっぱり是枝監督と同じチームだから日本映画独特な間や距離感を描くのは得意なのかもしれませんね。
う〜ん・・・見終わった後の感情は万引き家族と似ているかもしれません。
他の方のレビューを見てみると賛否両論が激しいので、どの演者さんの目線でこの映画を見るかで、良い映画か、退屈な映画なのかが決まってくるのかもしれませんね。
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