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泣く子はいねぇがのnanakのレビュー・感想・評価

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
4.3
覚悟のない1人の男が現実の厳しさを目の当たりにして、自分の情け無さに気がついていくお話

舞台は秋田↔️東京
行ったこともない、親戚にも友人にも知り合いはいない、ナマハゲも経験したことない私にとって、秋田県を舞台にした作品はとっても新鮮だった、そして日本の文化を題材にしてるのも面白かった

「大人になりきれない、すべての大人たちへ。」
のキャッチコピーの通りの作品
主人公たすくは、大人になりきれないまま、親になりきれないまま1人の父親になってしまった
よく言われるよね、
女の人は、身体ごと嫌でも親に成長するけど
男の人は、実感湧かず、気づいたら父親になっちゃうって
その胸のモヤモヤ、不安、不甲斐なさ、ことねからのからの厳しい言葉、すべてが重なって、不祥事を起こしてしまう、
仕方ないけど、仕方ないじゃ済まない。
全これから男親になる人に見てほしいんじゃないかな(?)

物語の中盤まではたすくに苛々しちゃう、
なんでナマハゲ行くの?なんで夏井さんとの約束優先するの?なんでお酒飲んじゃうの?なんで家族との約束は守れないの…?
なんで現実と向き合わないで、東京に逃げてくるの?
なんで今でも自分が必要とされてるって自信があるの、、?
でもお兄ちゃん、お母さん、ことねの状況と向き合って、お金を稼いで、許してもらおう。社会復帰しようと頑張るたすく
「頑張れ!!!!」
って思ってたのに

現実はそう甘くない、世間は厳しい、、
でも中盤以降はなにより夏井さんに苛々してしまった…
ハローワークらしきところで仕事を探すたすく
それを無理矢理引きずって、苦情の手紙を読めと言う夏井
社会復帰しようとして頑張ってるじゃん…
反省して次に進もうとしてるじゃん…
ナマハゲのイメージが崩れたことはもちろん最悪なんだと思う。たすくがやったことは許されることじゃない。
でも、前に進もうとしてる人を止めるのはおかしいと思うんだよね…
事件の前は、子供が産まれたばっかのたすくに頼って、ナマハゲ手伝ってもらってたのに…
夏井はたすくを1人の人間として大切にしてたんじゃない、あくまでもナマハゲの方が大切。
そこら辺がどうしても解せない…伝統命の頭が固い人は嫌だなって改めて感じた、


終盤の心のキューッが半端なくて
ラストは電車で泣きそうになった、
今後のことねと凪に幸あれ
たすく、頑張れ!!!!!!!
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