何をやっても全然うまくいかないダメ男の物語。
主人公のこのうまくいかなさ、行動が何一つ意味をなさなくなる感覚がとてもネオレアリズモ的な作品だと思いました。保育園のシーンなんかはそれが顕著です。
ネオレアリズモは戦後の貧しいイタリアで起こったムーブメントですが、この映画では、閉塞感や行き詰まりを抱えた地方の、地域社会の、経済的な意味にとどまらない「貧しさ」を表現しているのかなと。
なかなか救いがなくて辛い作品ですが、ラストは苦しい状況も無理やり飲み込んだ上での、複雑ながら熱く前向きなエネルギーに満ちていて、とってもグッときました。