2024年1本目。
何度も同じ日をやり直した結果、常人では至らない極地に至ってしまっている。
その表現の引き出しが愉快で切なくて面白い。
肝なのは「彼女の友人の結婚式」を何度もループする、というところ。
結婚式ってとても幸せなものだけど、新郎新婦との距離が離れれば離れるほど「どうでも良いパーティー」になっていく。
「幸せな雰囲気・だけど退屈」な毎日は最低な一日よりは余程良いし、だけど最高な一日ではない。
何をしてもどうせ進まないでループする、という絶望を描くには、程よい幸せだった。
繰り返す毎日に愛する人がいれば、少しはマシに思える気もするけど、いつか飽きてしまうかもという恐怖と隣り合わせは怖い。
人はどこまでいっても孤独だけど、それを分かりあうことで、孤独はほんの少しだけ、緩和される。
「大勢の人の中から選ばれてこそ運命」なのか?
「偶然の中でたった一人が現れたから運命」なのか?
「最低でも一緒にいたいと思えるのが愛」なのか?
「不変という退屈でも共にいられるのが愛」なのか?
いや、この世に不変なんてないよね。
だって、繰り返される毎日の中で、最低だった家族を最高に愛せると思うこともできる。