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40歳の解釈: ラダの場合のwatawataのレビュー・感想・評価

40歳の解釈: ラダの場合(2020年製作の映画)
4.5
監督・脚本・主演を務めるラダ・ブランクによる、自身を投影したコミカルな快作。

中年を迎えキャリア形成に迷いが生じた黒人女性が抱えるもやもやを、ニューヨークを舞台に、笑いと悲哀を散りばめてモノクロで描かれる。

主人公で脚本家のラダは、ほとんど仕事がないのに学校で脚本を教える自分に矛盾を感じ、ラッパーを志す。迷いながら崖っぷちを歩くラダだが、年下の男性トラックメイカー(ラップのビートを作る人)にその才能を惚れ込まれて...。

韓国系ゲイの友人に支えられながらも右往左往する彼女の姿に、笑い泣きすること間違いなし。

社会生活における困難をジョークにして笑い飛ばす軽やかさは、コラムニストのジェーン・スーの世界観にも通じる。黒人女性がアメリカ社会で抱く「いま」の感覚を伝える知的な作品。
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