まつけん

ムヒカ 世界でいちばん貧しい大統領から日本人へのまつけんのレビュー・感想・評価

3.8
2012年のリオ会議のスピーチが有名で、そのスピーチが絵本にもなった「世界一貧しい大統領」の南米ウルグアイ元大統領ホセ・ムヒカ氏のドキュメンタリー。

映画という意味で言うと、少しちゃっちいテレビ特番レベル。なんならフジテレビのディレクターが監督で、結構登場しちゃうのですが、感動に落とし込もうといらない情報も盛り込まれているし、少しチャラい感じが全体の質を下げているような…。
この映画、フジテレビ特番とかでやってくれたらすごくいいのにと本当に思うくらい、伝わるメッセージは素晴らしい。
映画では、特にムヒカの半生にがっつり触れてはいません。あくまでも世界へ、日本へ向けたメッセージを繋ぎ合わせた構成です。

ムヒカ元大統領のメッセージで有名なのは、
①2012年リオ会議スピーチ
 https://hana.bi/2012/07/mujica-speech-nihongo/
②2016年来日の際の日本外語大でのスピーチ
 https://www.youtube.com/watch?v=PylOB4xHQHE
の2つ。
これだけなら上のURLで書き起こしや動画が観れちゃいますが、
(映画を観に行く予定の無い人は是非上記URL等で一度見てくださいませ)
この映画では、ムヒカの日本来日のシーンもあり、ムヒカから見た日本人の豊かさ、幸せとは何かが語られる。
気付かされることがたくさんある。
ムヒカは、自分の意見を自分の言葉ではっきりと語るから、すごくメッセージが強い。
貧しい人とは、物を持っていない人ではなく、沢山の物を持ってもまだ足りないと思う人。今の先進国の人々は、幸せではなく、心が貧しくなっているのではないか?といった提言とか。。
ムヒカの半生の中、ゲリラに身を捧げ、13年投獄、内10年は独房生活という中で、慎ましい幸せ、生きていることの素晴らしさを見つけたとか。

映画観てる時にふと、あまり映画とは関係ないけど
なんか、日本は終わったとか、アメリカに勝てず、中国にも負け…とかいうけれど、IMFの2020年予想では、米中にトリプルスコア以上で負けてるけど、それでも世界3位。何となく負け組的な気持ちを持ってしまっている(僕だけ?)けれど、そんなことはなく、もっと日本人であることに誇りを持たなきゃなと思った。

◆ウルグアイとは(どこかのサイトからつまみ食いしてます)
ウルグアイはブラジルとアルゼンチンに挟まれた小国で、ブラジルからの独立(宣言)は1825年と古い(認められたのは28年)。アルゼンチン・ブラジル戦争(1825~28年)の対立をうまく利用し、イギリスの仲介を得て、ウルグアイ東方共和国として独立した。その後内戦などを経て、畜産業で栄えた。二十世紀に入ると、ウルグアイではスイスをモデルにした社会経済改革が行われ、南米で唯一の福祉国家となって発展しました。民主化も進んで安定し、一時期は『南米のスイス』と呼ばれたほど。ただし、工業化(近代化)に失敗し、1950年代半ばから経済が低迷し、政情が不安定化。1960年代半ばに登場したのが、南米最強の都市ゲリラといわれたツパマロス。ツパマロスが反政府攻撃を強めると、ウルグアイ軍部は政治介入を深め、1973年には軍がクーデターを起こして政治の実権を掌握。76年に就任したメンデス大統領は新自由主義的な経済政策を掲げる一方、労働人口の20%が治安組織要員という極端な警察国家体制を敷いて国民を弾圧。81年には軍部が軍の政治介入を合法化する憲法改正を狙ったが、これは国民投票で否決。85年に民政移管が実現し、ようやく民主主義国としての歩みが始まった。2005年にはタバレ・バスケス氏が大統領となって初の左派政権を樹立。2010年にはその政策継承を掲げたホセ・ムヒカ氏が大統領となり、2015年3月からは再びバスケス氏が大統領に。

◆ムヒカ元大統領
上記に出てきた都市ゲリラといわれたツパマロスに参加し、まざまな襲撃や誘拐にも関与し、受けた銃弾は6発、逮捕・投獄されたのは4回で、うち2回は脱獄。ルシア・トポランスキー上院議員が奥さんで元ツパマロスのメンバー。
1972年に逮捕されると、翌年に軍部クーデターが勃発したため、ムヒカ氏は軍事政権が終わるまで13年近く収監。1985年の民政移管と前後して出所したあと、ゲリラの同志らと左派政治団体を結成、1995年の下院議員選挙で初当選し、2005年にバスケス政権ができると農牧水産相として入閣していく。
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