このレビューはネタバレを含みます
活動家への妻の思い…家族と子供のために「国だ」
「大事なのは政治的理想ではなく、愛国心や本質的価値でもない。この国の基準は“部族”なんだ。苗字が何者かを決める」
というケニアの現実。
まずは金と物。
政治家も警察も信じられない。
堂々との暗殺。
そんな中で命をかける活動家とそのその家族の物語。
イギリスが原因。
ドキュメンタリー。
ボニファス・ムワンギ…写真家、ケニア民主化への活動家、“怖いもの知らず”、
「ウフル大統領は不寛容路線だ」
「パパどこに行くの?」「政府をやっつけに行く」
2007年
ボニファスは選挙後暴力を取材
ルオ族
仕事辞め
2008年
2か月に及ぶ暴力停止の和平協定に対立政党の長らが署名
息子の名前…ズールー語で“贈り物”
「ケニアでは部族が全てだ。人と初めて会う時、“名前は?”と聞かれ、例えば“サラ”と名乗る。でも“苗字は?”と聞かれる。どの部族の人間なのか、部族で他人を理解する。ケニアの政権も同じだ。大事なのは政治的理想ではなく、愛国心や本質的価値でもない。この国の基準は“部族”なんだ。苗字が何者かを決める」
「入植したイギリス人は小さな寒い国から来て、アフリカの地に初めて降り立った。暑くて素晴らしい景色。どう支配する?部族の分断だ。彼らは部族ごとに役割を与えた。キクユ族は開拓上重要な部族、色彩に溢れた豊かな文化、知的水準も高い。白人の技術をすぐに習得できる。キクユ族は金儲け、カンバ族は使用人、ルヒヤ族は料理人や番人。全てイギリスのお仕着せだ。初代大統領はキクユ族のジョモ・ケニヤッタ。さて、彼のとった政策は?キクユ族の優遇だ。キクユ族のための政治。その後彼の行ったことは対立勢力の殺戮だ。イギリスが部族主義の種をまき、ケニヤッタ政権がその種を育て、続く政権も部族主義を踏襲。この国に根を張らせた」
2013年
ケニアの大統領が国際刑事裁判所(ICC)へ出廷
人道に対する罪で追訴、前代未聞の事態です。
ウフル・ケニヤッタ大統領、初代大統領の息子、2007年大統領選挙後の非道な抗争を指揮
「天にまします我らの父よ。パパを警察からお守りください。ぱぱにいい仕事を探すようお伝えください。人を苦しみからお救いください。イエス様の御名によって。アーメン」
立候補
ハディージャ・ムハンマド…選挙運動本部長
みんなの中で“みそっかす”。
あだ名は“ソフティー(弱虫)”
「ボニファスはいいやつだけど、金をくれないからな。金だよな!(笑)」
ジャガー…ボニファスの対立候補、ポップス歌手、別名ジャグワ、ジュビリー党、
ジュマ…腐敗政治に反抗、容疑者は4人の警官、病院に立ち寄り殺害、
ボニファスにも脅迫状→妻子はアメリカへ
切り抜きにスプレーで直接壁の選挙ポスター。
“ボニファスの妻”という存在でしか無い
「もう一人子どもが欲しいわ」
投票日10日前、8か月の避難生活からケニアへ帰国。
投票日8日前…クリス・ムサンドが遺体で発見、ケニア電子投票システム局の責任者
選挙当日
催涙弾
選挙後
暴動
対立候補オディンガが選挙結果を受け、投票システムへの攻撃と投票結果の改ざんが会ったと主張
英国企業ケンブリッジ・アナリティカ社が選挙妨害で告発
警察による銃撃(笑ってる上官女性警官)→防弾チョッキ。
報道が居ても平気で銃撃。
オディンガ…数ヶ月の抵抗のあとウフル大統領との協定「彼の支持者の死は完全に無視だ」
「実は負けてよかったと思ってるの、悪い意味じゃなくて。本当は彼が勝っていれば最高だったけど。一方で家族も大切にしてほしかった。子供たちと一緒にいてほしい」
「私たちは闘った。ケニアのため、世界のため。人々と共に闘った。でも今は自分のため」
「選挙は残念だったな。でも次があるさ。社会改革は必要だ。きっと思いは届く。応援してるよ。ジョージだ」
「国のため闘い続ける。最前線でなくとも。でも今は家族を守りたい」
ケニアの民主化のため命を懸けて闘う全ての活動家と家族に捧げる
ALUTA CONTINUA
撮影中に行方不明や殺害された活動家は30人以上
20230624 516