実話で聞いた話か？
計画性なく感情の赴くまま場当たり的に生きながら、周平にある時は親に求める様に依存し、ある時は小間使いの様に利用し、ある時は生きる糧を得る為の道具にして、巻き込んで来た秋子。学校にも行かさず教育も受けられずに最後はとうとうお金のために祖母殺しまでさせてしまう。共依存の関係として、互いに互いを必要とする。周平は反抗もせずに母親の破天荒な人生の巻き添えとなり周平自身を大切にすることすら知らずに育った。
刑務所の中で初めて自身を生き始める事だろう。平穏と安堵と安定と、そんな当たり前がなかった人生、この刑務所で初めて普通の生活を得るなんて皮肉だ。保証された生活。
普通の家庭で育った筈の秋子なのに、いったい何があったのだろう…。周平へ殺害の指示をした証拠がない、平気でそう言う。一体秋子の周平への母性は。秋子の一部だったのかもしれない、共依存というのはそう言うことか。周平も、全て自分がやりましたと言う。お母さんが好きなんだと。
周平の幸せを祈らずにいられない。優しい周平、どうぞ自分の人生を生きてほしい。
