重苦しい曇天の空のもと、主人公親子が急な下り坂を駆け下りる冒頭の描写で
「2人がどん底まで真っ逆さまに落ちる」
物語である事が暗示される。
ネグレクトを扱った作品は 『鬼畜』、ズビャギンツェフの『LOVELESS』、是枝裕和作品など色々あるけど、これもキツい一本。
是枝監督の『海街diary』であんなに美しい家族愛を見せた長澤まさみと夏帆さんが『マザー』ではこの世の不幸を全て煮しめたような演技をしておりギャップがえげつない
夏帆さんの薄幸でオドオドした人物の演技、ミア・ファローやキャロル・リンレーに通じる雰囲気があって実に良い。