実際にあった事件から着想を得た映画。
もとになった取材本があるらしく、本作では何故こんなことが起こったのか、少年の生い立ちがひたすら描かれる。それがとにかく重い。
自堕落な母親に育てられた少年が、歪んだ愛情によって犯罪にも手を染める。
母親との、ごく小さな社会しか知らない少年に手を差し伸べる人もいるが、結局母への愛が勝る。最後にすべての罪を被った少年の思想がとにかく悲しい。外にいるよりも、服役している方がある意味自由である皮肉。またそれでも母を愛する気持ち。少年をここまで追い詰めた家庭環境に吐き気がした。
映画としては、ストーリーに盛り上がりがあるようなものではなく、淡々と話が進んでいく。（内容はとてつもないけど）
馴染みの場所がロケ地になっていて、ちょっと親近感がわいた。
