【11作目】
実際に起きた「少年による祖父母殺害事件」に着想を得て描いたヒューマンドラマ。
正直すごくしんどい。鑑賞後、実話と知ってますますしんどい…親ガチャってこういうことなの?共依存ってこういうこと?と考えてもどうにもならないことが頭をぐるぐるしてしまう。
何か決定的なことが描かれるわけでも、この作品の中に何かの答えがあるわけでもない。事件の前後だけを描くものが多くある中で、本作は主人公たちがそこへ至るまでの母と子の関係、取り巻く環境を淡々と描かれており、観ている私たちが変に詮索したり感情移入したりすることから遠ざけられているよう。
本作で描かれるものを簡単には理解できない。それでも、そこにはひとつの母と子の関係や何らかの「愛」があるのかもしれない。(これが愛と言えるのかは、私の視点ではわからないけど…)
長澤まさみの演技、すっぴんにしても美しくむしろ怖ささえ感じてしまう雰囲気、息子の絶妙な表情。これから鑑賞する方は、リアルすぎて少し遠い話をぜひ感じてください。