さくらん

フォーリング 50年間の想い出のさくらんのレビュー・感想・評価

4.2
父親は、超保守的と言えば聞こえがいいけど、ただの気性が激しい昭和初期のモラハラ種。
そんな父の為に怒りをグッとこらえて接していく健気な息子との複雑な関係を描くストーリー。

父親は認知症も相まって誰に向けても、攻撃的な差別用語しか吐けないので、見ているこちらもハラハラする。
かろうじて娘のモニカとは良好な関係を築けたようだけど。
出ている役者はそれぞれキャラを理解して丁寧に演じている。
自伝的要素有りとの脚本は、自分で書いたとしても演じてて辛かったのではないかな。

ヴィゴはやはりカメレオン。
元々品があるし、何をやらせても所作がきれいで女性的な仕草が自然すぎる。

初監督、脚本、音楽と、ひいき目で見てるかもしれないけど、カメラワークや現在と過去のへの記憶へのつながりが自然で、とてもいい作品だった。
もっと強気に多くのスクリーンで公開してほしい。