とぽとぽ

フォーリング 50年間の想い出のとぽとぽのレビュー・感想・評価

3.0
散らかりながらも心はある

息子ヴィゴ・モーテンセン✕とにかく口のクソ悪い父ランス・ヘンリクセン=衝突の果ての複雑で厄介な家族ドラマ。同業者からの人望も厚いであろうに違いない彼が脚本監督。そして演技派ローラ・リニーが妹役、おまけに盟友クローネンバーグ。
同性愛"ホモ"(と日本)嫌いの男社会家父長制を地で行く前時代的でとにかく態度が悪い偏屈イカれジジイ感。威圧的で差別的、口を開けば下品で忌み嫌うべき男根野郎、どうしようもないクソ野郎。彼氏じゃなく夫だ。母さんじゃなくてジル。毒親というか、逆にこういうのだとこういうキャラクター造形は決して珍しくなくよく見るいが、本作もご多分に漏れず胸糞神経逆撫でるようにキャラ立っていて強烈な印象を残す。とにかくトゲと毒があって、というかそれだけしかないくらいそれらだらけで言動にその場の空気の凍る感じ。クリスチャン・ベールとかも似合いそう、無論屈指の演技派なのでできないわけないが。人生で誰かに謝ったことが?! こんな世界に生んですまんな、クソタレ野郎。遺言は、その時はその時。こういう作品に見られる現在と過去が交互に描かれる語り口。既視感はあるけど見ているときの居心地の悪さ含めリアル。
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