なずな

サンドラの小さな家のなずなのレビュー・感想・評価

サンドラの小さな家(2020年製作の映画)
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この映画で素敵な言葉を知った。
アイルランド、コミニティでの
助け合いの精神「メハル✨」
みんなが集まって協力し合うこと
を表す言葉なのだそうだ


可愛い娘達とサンドラ
夫からDVを受け弱い立場で
追い詰められる中必死に救いを求め
見つけた家を建てるという希望
まだ幼いふたりの娘たちとの生活を守るため
懸命な彼女の姿に周囲も心を動かされ
差し伸べられた周囲の人々の温かさや優しさ
その温もりを知るひとはきっと
何度打ちのめされようと立ち上がれる


サンドラを囲み助けになる人々が魅力的で、特に彼女とは深い関わりがありキーパーソンとなるペギー(ハリエット・ウォルター)の一見偏屈な年配ツンデレは堪らない存在感!
職人気質のエイド(コンリース・ヒル)は人をちゃんと見る目を持ち温かい!
人物像が最高好きなのだ…⸌⍤⃝⸍


この映画は自ら脚本を持ち込み、サンドラを演じることとなったクレア・ダンの親友がホームレスになってしまった体験に衝撃と怒りを覚え、この脚本を執筆したことで出来上がった作品。

自宅でお洒落ごっこする幼い娘2人とお化粧をして音楽をかけながら歌い踊る素敵な光景が一転、楽しいひと時とはまるで逆の観ていて身体が強ばる程の光景が悲しかった。暴力を受けそれを目の当たりにする心の傷はどれほどかと苦しくて涙が出た…どこかで起きている現実が1番恐ろしい

昨年鑑賞した
ニューヨーク親切なロシア料理店
という映像でも描かれてたいた問題で

シングルマザーや生活困窮者の現実
生活が苦しい中、必死で家族を守ろうと
生きる人達にどれほど厳しい社会なのか
投げかけられる言葉ひとつひとつにも
この映画を観ていたら憤るだろう
近くに差し伸べられる手がない人は…
善意の温かさだけでは守れない命がある
そういう現状に目を向けて社会制度自体
変わらなければならないと強く感じる
なずな

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