たく

ホース・ガールのたくのレビュー・感想・評価

ホース・ガール(2020年製作の映画)
3.5
最近のネトフリ作品は強いけど難解作が来た。
中盤までの不思議な演出がほんとワクワクさせた末に、ラストで種明かしがないまま終わるモヤモヤ映画。これはたぶん脳に障害がある人の極端にリアルな主観モノで、最終的に自分なりの方法で現実世界と障害を持った自己との折り合いをつけるというある意味で成長モノってことなのかな。

美人なんだけど地味でちょっと変わってて人付き合いの下手なサラを演ずるアリソン・ブリーが抜群に上手く、昨日観た「ディザスター・アーティスト」での現実的な女性とは全然違った印象だった。

サラが自身がハマってる「煉獄」っていう陳腐なドラマを仕事終わりに毎日見てて、誕生日でさえ一人きりなのをルームメイトのパリピ女子が気遣って友達を呼んで誕生日を祝う感じがなんともイタい。その友達男性が「煉獄」の主人公と同じダレクという名前と知って勝手に運命を感じて恋人みたいになっていく展開の後で、「アンダー・ザ・シルバーレイク」みたく陰謀論に囚われてるサラの本性がバレていくのが怖い。
夢遊病らしいサラが見知らぬ二人と並んで真っ白い背景の中で寝てるのが「マトリックス」みたく斬新で、一緒に寝てる人物が現実に現れる時の不思議なBGMが後に繰り返し出てくるたびにワクワクし、どんなサスペンスが待ってるのが期待を高めた末のモヤモヤ展開にちょっと気分が下がった。

題名の"HORSE GIRL"は、たぶん落馬したか何かで脳に障害を負った少女ってことかな。もう一人の落馬女子が足を悪くして記憶障害と分かるシーンがあったね。
たく

たく