このレビューはネタバレを含みます
完全にシェイプ・オブ・ウォーターやパンズ・ラビリンスの頭で観に行ったのだけど、今回は良い意味で裏切られた。
途中までどこで超能力を出してくるんだ?モンスター的要素は?幽霊が出てくる?とドキドキソワソワしていたが、この映画には
人間ではないモノ、化物だったりモンスターだったりは出てこない。
とはいえ、いつものダークでファンタジー的な雰囲気はそのままデル・トロ監督独特の世界観が楽しめる。今回もセットや小物、衣装がとてもすてきだった。
良い気になって調子に乗り、欲に目がくらんで人の心・良心を失った結果、大切な人を傷つけ超えてはいけない一線を超えてしまって結局〈獣人〉になるしかなくなってしまった男(スタン)を描いた物語。
幽霊ショーはやめなさい。
たとえ嘘でも客の為になるから悪い事ではないんだと幽霊ショーに手を染め始める。
散々忠告を受け愛するモリーに止めてと言われても、スタンは踏みとどまることができない。
人助けの意味合いは次第に薄れ欲に目がくらみ盲目的になっていく様子が恐ろしかった。
どんどん善悪の区別がつかなくなっていく。
結果モリーに去られリリスに泣きつくがあっさり用無しよと捨てられる哀れなスタン。
オチがなんとなく想像ついてくるから余計つらい。列車に忍び込んでケージの裏に隠れてるとことか。あ〜やっぱそうなる?ですよね、あぁこの先観るのつらいよーってなってた。
すごく面白かったし、映像が美しいので映画館で観て良かった。
長いけどもう一回じっくり観たいな。