ドンキーホーグ

ナイトメア・アリーのドンキーホーグのレビュー・感想・評価

ナイトメア・アリー(2021年製作の映画)
2.9
象徴的すぎてよく分からなかった。

画作りはすごい、でもそれ以外がよく分からん。まぁ原作に基づいて作ってるから、この映画に対して文句言うのもアレなんだけど、見終わった後にだからどうしたって気持ちになる。

男がイキりまくった挙げ句没落する定番のストーリーなんだけど、似た展開のグッドフェローズと比べて面白みが無い。

大昔のおとぎ話みたいな感じで、個々のキャラクターの行動に感情価が持てないので退屈に感じた。
パンズ・ラビリンスもシェイプ・オブ・ウォーターもかなり好きなのだけど、正直本作は観たあと何を思えば良いのかよく分からない。これがノワールです!って言われれば「はいそうですか」としか言えないけど…

運命論とか、父親と息子の関係(洋画って父親と息子の話が多すぎない?)とか、騙し騙される関係性とか。なんとな~くやりたい行動は分かるんだけど、イマイチ入ってこない。

周囲のキャラクターはどれもよく分かるのだけど、主人公だけが本当によく分からない。
主人公は、有名になりたい、金持ちになりたい、崇められたい、と言うような動機に突き動かされたような行動を取る。
でも、稼いだ金で豪遊するシーンとか、金がなくなって借金取りに追われるとか、そう言った展開がないし独白もないから、主人公がなぜ金を追い求めるのか分からない。銭ゲバ見たい拝金主義者になるような演出もないし。
自己顕示欲もあるようなタイプには見えないし、変な本一冊で一瞬で降霊術を身につけるのも展開が急すぎて分からない。本が呪われてるわけでもないしなぁ。