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さよなら、私のロンリーのcaramelのネタバレレビュー・内容・結末

さよなら、私のロンリー(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

前作、前々作も好きだったけど、
映画として1段上がった感のある、
ミランダ・ジュライの最新作。

これまでの作品は彼女自身が主演だったこともあり、良くも悪くも彼女の自伝的な感じというか、あたまの中そのまま「どーぞー」って出されている感じで、
正直、ひとりよがりというか「??????」みたいなシーンも結構多かった。
それはそれでアーティスティックで好きだったけど、オチがないというか映画というより映像作品、という感覚だった。

今回は、内面的な作品になりすぎず、
人との出会いによって
気づくもの、見えてくるものの描き方が
ある意味王道、だけど彼女らしいセンスに溢れた演出で、すごく好きな作品でした。

途中、「死」について哲学的な展開になるところとか
オールドの死生観を、他者(盗みに入った先の老人)との会話で見せておきながら、
真っ暗闇に連れ出される展開、
そこからのオールドが覚醒する流れ。
(あそこで彼女は一度死んだのですよね、
精神的に)
「う、うまい..!」と思わず唸りたくなりました。
こんな見せ方できる人じゃなかったよね!?
ミランダ・ジュライって..!
と驚きつつ嬉しい発見。

やはり天才は良いフィルターとなるビジネスパートナーと組むことで(今回で言うとエヴァン・レイチェル・ウッド、デブラ・ウィンガーかな)いい意味でふるいにかけられた部分が残って、凄くいい作品を作れるのだなぁと。
発想が奇抜だから、観る人に伝えるための、届くまでに関わる人が凄く大事なんですよね。
結果、これは個人的に
最初から最後までとても好きな作品。
エヴァン・レイチェル・ウッドって
監禁されてたり、いろんな事情で世離れしている役が最高に上手いですね。。
(追記:彼女のプライベートの過去を考えると
こういう役を引き受けるところも含めて魅力的な役者さんだなと思います)
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