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情婦の盆栽のレビュー・感想・評価

情婦(1957年製作の映画)
4.2
真実はいつも闇に葬られる


 ビリー・ワイルダー監督、アガサ・クリスティの戯曲『検察側の証人』を原作とした法廷ミステリー。評価も概ね高く、どんでん返しが用意されているとのことで鑑賞。見事に騙されました。ただの「どんでん返し」ですらありません。真実が明らかになった瞬間、思わず「嘘でしょ…」と声を漏らしてしまう始末。これは素晴らしい。

 どんでん返しがあるのは勿論ラストパートなのですが、それに至るまでの物語の運び方も非常に面白い。個性豊かな登場人物が揃い、メインとなる法廷シーンに釘付け。検察側ではなく弁護側から事件の真相に迫るので、被告人に対しては「どうか無罪であってくれ」と思いながら観るしかない。
 果たしてアリバイはあるのか、証人の発言は本当なのか。誰も、何も信じれないまま衝撃の結末へ。あっぱれじゃ!

 アガサ・クリスティといえばどうしても名探偵ポアロが思い浮かびますが、まさか法廷ミステリーの達人でもあったとは。クリスチーネがファム・ファタールの役割を果たしているから実質、法廷版フィルム・ノワールですらある。二重の楽しみ方があります。
 ネタバレ厳禁の作品なので、本作のことが気になった方はリサーチする前にすぐ観ましょう!!

2024.3.23 初鑑賞
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