2021/07/02
2021年52本目(劇場14本目)
監督フローリアン・ゼレール
アンソニー・ホプキンス
オリヴィア・コールマン
【腕時計の行方】
記憶力を失い始めた年老いた父親と、彼の行く末を心配する娘、思い出しては消えてを繰り返す出来事の中で、やがて父親が辿り着く真実を描く、ヒューマンドラマ。
地元上映最終回にすべり込み鑑賞。
場面が変わる度に繋がらず、繋がったかに見えて引き戻される、どこからが現実か妄想か、誰が実在するのか、限られた空間の舞台劇のようでありながら、見えない緊張感に溢れ、次に何が起きるか分からない感じはミステリーのようでもありました。
親が年老い全てを忘れていく、実は自分も年老いた母親と同居していて、少しずつ物忘れが酷くなっていく姿を見ているこの頃でもあり、娘の苦悩が分かるとともに、正直不安を覚えさせる作品であった。
老いは親だけでなく、必ず自分にも訪れるもの、スクリーンの中の父親を見ながら、その時自分はどうなってるか考えさせられる作品だった。
本作でオスカーを獲得したA・ホプキンス、知的、傲慢、不安、恐怖、悲哀、次々と違う表情を見せる主人公を演じ圧巻でした、ラスト近くの演技には感情移入してしまって、涙が滲んでしまった一本、淡々としながらも時間を感じさせない。
良作でした。
"葉が全て無くなっていく"
