自分も介護業界の端くれだけど、
介護する側のお話や認知症を題材にした映画はあるが、認知症の方の視界で観られ、とても新鮮だった。
画面の印象的な青からだんだんと変わっていく緑、勝手知ったる我がフラット(家)がまるで迷宮のようにみえる。
世の中がこう見えているんだとしたら不安になって、周りの人へ辛くあたったり、自分を認められなくて苛立っていることを理解できるし、当然の反応と思った。
それに対応する家族は、愛していたはずなのに、呪いのようにも感じていってしまうのかも。
認知症は特別な人がなる変わった病気ではなく、長く生きられるようになった人間の死の手前にある、誰もがなり得る病気。
テーマは重いが映画としてとても面白いし、ミステリーのようにも見える。
生きることとは何かを鑑賞後に反芻して考えている。これからの人生で大切な映画になった。