こんなにサスペンス調だとは思わず。
誰も彼も演技がうまくて、アンソニーホプキンスはすごすぎて怖い。
こんなパッチワークを作った監督の脳内はどうなっているのか。
リアリスティックかつ時計をなくしたタイプのノーラン作品みたいな。
定規で測った感じのある背景は、空虚さ無機質さをかもしつつ、〝さっき〟と〝今〟の非連続性を切々と訴える。
時々視点がずれるのは、他人の目線なのか妄想なのか…。
認知症の知識全くなしにこの映画を観たらどんな気持ちになるのだろうか。
〝I'm losing all my leaves.〟
この作品をホラーと見る向きもあるようだけれど、私はこれは現実か、現実を想像したものだと思う。
ホラーは現実には起き得ないけれど、この世界はあり得ると思うから。
私が好きな、ヘレンミレンとドナルドサザーランドの「ロング、ロングバケーション」が美しい夢で、こちらが現実。そういう風に思う。