ひれんじゃく

フランクおじさんのひれんじゃくのネタバレレビュー・内容・結末

フランクおじさん(2020年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

推しが出てるってことで観たんですけど何もかもが最高すぎてもうどうしたらいいかわからなくなった。とりあえずフランクとウォーリーのニューヨークでの日々を映しただけのドラマシリーズがほしい。とにかくあの2人の日常が見たい。あらゆる挙動が互いに対する愛に溢れていてもうダメかと思った。

わざわざ遺言でアウティングしてくる父親がクソすぎてもう歯軋りした。最悪。なんで???ってブチギレて涙が出た。でもそこまで悪く書くことであの父親が家父長制や異性愛規範、同性愛への抑圧の象徴そのものであるということを確かなものにしたかったんだろうなとよくわかった。信教の自由はもちろんあるけど、宗教の中にあるホモフォビアは滅びな!!っていうノリも最高。というかあの濃さでたったの90分しかないのであらゆることを簡潔に手際よく描いているその手法にも感動した。その短さだからこそロードムービーっぽいけどダレずに行けたところもあるんだろう。

そしてあのラスト。もう同性愛の映画は悲恋で終わらなくてもいいしあのハッピーエンドは「父親の心なきアウティングによってゲイだということが家族に知れ渡ってしまいそこから彼らに"認めてもらう"ための苦難が始まる、なんてそんな馬鹿馬鹿しい時代遅れのシナリオはもう求められてないので✌️」という強い強いメッセージのような気がして希望しかなかった。最高だって。認めてもらうもクソもないんだよな、本来。当たり前のことなんだから。僕は男性ですが女性のことが好きです!って言って引かれないのと同じことで。ゲイだと知られたところで「何も問題ない」し「何も変わらない」。普通のことなのだから。だけど本人の同意のないアウティングは本当のマジのガチでゴミ。
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