nununu666

泣きたい私は猫をかぶるのnununu666のネタバレレビュー・内容・結末

泣きたい私は猫をかぶる(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

猫になりたい、猫を飼っていて猫がすきなら一度は考えた事があるとおもう、少なくとも僕はある。
猫の書き方がすばらしいのはもちろん、猫に対しての愛情が感じられる。
猫はかわいい。
ファンタジーではあるけど話が飛躍したりせずちゃんと各々の感情を描いてくれていて物語を飲み込めて感情を理解できた。
言葉で描かれていない部分は表情や光などの演出で全て表現されていた。
人になりたい猫と猫になりたい人の感情の描かれ方がよくて僕の飼ってる猫もこんな事考えてくれてるのかなと嬉しくなり猫を思い悲しくもなった。

猫の寿命は人間に比べたら遥かに短い。
けれど人間は猫に癒される。僕も猫のためにできることをしてあげたい。
短い寿命の中で幸せだったと感じて欲しい。

主人公の愛情表現は少し変わっていて突飛な行動だと思えるような事も多々あったけど、きっとそれじゃ足りないくらいに好きなんだろなと思った。
家庭環境などの悩みから周りに上手く自分を表現できずにいるからこそ、そうするしかなかったのかもしれない。
人間としては知り得なかった好きな人の好きな部分を猫として知って、それを人間に戻ったときに制御するのは難しいだろうなとおもった。
だからこそ愛情が爆発しての行動なんだろうな。
人間が猫と接するときの態度は甘くて柔らかい、それを人の姿で求めてしまうのはなかなか難しい。ましてや恋人同士でもなかったから。
それでもムゲが日之出を思う気持ちは本物で日之出の良い所をちゃんと知ってる。ムゲの気持ちも日之出も気持ちもちゃんと理解できる見せ方になっていた。

主人公が猫の姿で日之出に想いを伝える、猫の姿でだからこそ良かった。
最後、人に戻ってからも言葉にするがそこは暗転し真っ暗になっていた。最高の演出だ。
nununu666

nununu666