ルーマニアのナイトクラブ火災を機に露呈した、目を背けたくなる程の医療と政治の腐敗。政治の内側にぐいぐい入り込むカメラと巧みな編集に「知りたい」本能を刺激され続けた。
ナレーションはなくテロップも最小限。生々しいドキュメンタリーから何を受け取るかは自分次第。
一命を取り留めた負傷者が、入院先で次々と亡くなる事態が判明。スポーツ紙の調査チームが事件を追う前半から、事件後に就任した若き新保健相が医療体制の立て直しに着手する後半に入っても、価値観を押し付けない冷静な語り口が逆に恐ろしくもあった。
諸悪の根源はどこかの悪人じゃない。きっと国民の無関心。
恐らく偶然だけれど、内部告発者やそれを受ける側の人間がほぼ女性だったような。告発する案件の分野にもよるだろうけど、ちょっと目新しい気がした。
