ラジオ子ちゃん

アシスタントのラジオ子ちゃんのネタバレレビュー・内容・結末

アシスタント(2019年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

あなたはこの一日で彼女のストレス源を幾つ見つけられますか?
とでも言うように厭な予感がするようなことが度々起こる。
誰かが来れば何か言われるのか、されるのか。と思うし
物を受け渡せば何かを逃してしまうのか。と懐疑的な目でみる。
ちょっとそれは先を急ぎすぎなのでは?と
裏が取れていないような告発めいたことを伝えた上司の最後の一言で、
あぁ、やっぱりこの組織、そう言うことが罷り通ってるのね、と裏付けられる皮肉。
こうして、"声"が失われていく。
彼女にはこれがおかしい事だと判断できるから"その"対象にならなかった。
怖いのは、ここで、こんな業界で働くことに価値を見出してしまうことだと思う。
本来志していたこととは関係ないのに。

清掃員は別にいるらしいが、会長の部屋を掃除しているし、
世が明ける前に出勤し(てっきり帰宅風景かとすら思わせる)、
ろくな物を食べず、真っ暗な中帰宅する。
どんな雇用契約を結んでいるのか最後までわからないが、
アシスタントというものは雇う側にとって都合のいいボヤッとした職種だなと思ってしまった。