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アシスタントのbuddyのレビュー・感想・評価

アシスタント(2019年製作の映画)
3.7
《逃げ場のない窮屈で不穏な90分》
棚の少し奥に置かれているマグカップや引き出しに丸めて入れられている主人公のコート、食べているご飯などから、劣悪で居心地の悪い職場であることが伺える。悩みを打ち明けられる人も誰もいない職場環境に、家族の誕生日も忘れてしまうほど多忙な日々。しかし、憧れていた業界だからこそ簡単に諦めるわけにもいかず、家族に弱音だって吐けない。そんな描写の一つ一つが窮屈で苦しい…。
また、ハラスメント行為をなかったことにするような空気感や圧が凄まじい。1番のハラスメント加害者である会長をはじめ、悪しき業界の風習や様々な要素が被害者にとって逃げ場のない状況を作り出し、心身ともにいかに追い詰められているかをあえて会長の顔を出さなかったり、タイピングやコピー機の音など、観ている人が不穏になりやすい演出とともに、非常に感情移入しやすい作りになっている。
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