buddyさんの映画レビュー・感想・評価

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アイアンクロー(2023年製作の映画)

3.5

《現代の話なら違う結末だったかも…。》
予備知識なしで鑑賞したこの作品に、あまりの波乱な展開にただただ言葉を失った。
プロレスというマッチョで特殊な業界が生んだ悲劇なのか、あるいは極端に厳格で保守的だ
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パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)

4.4

《行間の表現、時間の描き方がたまらなくいい》

男女が運命的な出会いを果たし、恋人関係になりごたごたがあって別れるようなドラマチックな展開はこの映画では起こらない。
むしろ、運命的な出会い=恋愛という
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雑魚どもよ、大志を抱け!(2023年製作の映画)

4.0

《あの頃って、かけがえのない時間だったと気付かされる。》
最初長回しで子供達の日常から始まり、タイトルが出る流れから音楽初めワクワクさせられた。

半履きの靴、2人乗りのチャリ、秘密基地、駄菓子屋な
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恋愛適齢期(2003年製作の映画)

3.0

《コクのあるラブコメ》
よくありがちでライトなラブコメだが、これだけの実力派キャスト陣が結集すればありきたりなものではなくコクのあるものに仕上がる。会話のテンポ感や登場人物のキャラクターも魅力的に演じ
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ぬいぐるみとしゃべる人はやさしい(2023年製作の映画)

3.0

《こぼれ落ちていきそうな悩みの受け皿となる作品》

すごく繊細でこの社会でこぼれ落ちていきそうな悩みの受け皿となるような映画だなと思った。多様性の中にもまだまだ知らない世界や自分とは接点がない人たちを
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

《日本人からのメッセージを発信してはじめて、この映画は完成する》
IMAXで鑑賞したが、原爆の恐怖や人間の悍ましさが3時間スクリーンから迫り来るものがあり、そのエネルギーにのまれてしまった。

こんだ
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ヘンリー・シュガーのワンダフルな物語(2023年製作の映画)

3.6

《まさにマトリョーシカ式おとぎ話のギフト》
1つの物語の中にさらに小さな物語があって、その物語の中にもさらに小話がある。
マトリョーシカ箱を開けてる感覚になりワクワクが止まらなかった。
活字に目がいく
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いつかの君にもわかること(2020年製作の映画)

3.8

《真っ直ぐな愛情と「死」》
余命モノってドラマチックな展開が多いけどこの映画のように「死」とは誰しもに訪れる自然な現象であり、特別なものではないのかもしれない。
ジョンが真っ直ぐにマイケルを愛し、愛情
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アダマン号に乗って(2022年製作の映画)

2.7

《ちょっと地味すぎた…》
出てくる精神疾患のある人々の過去や病気のこと、そしてこの施設の仕組みについてはあまり出てこない。それが監督の狙いだったようだが、ほぼ彼らとの会話だけで構成された内容は物足りな
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アバウト・シュミット(2002年製作の映画)

3.5

《ジャック・ニコルソンの芝居って、ずっと見てられる》
ジャック・ニコルソンの芝居はずっと見ていられるものだ。公衆電話やペン、紙、陶器、すべてが彼の演技を引き立てるために存在しているかのように、カメラに
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わたしの幸せな結婚(2023年製作の映画)

2.9

《もっと控えめな作りの方がよかった…》
原作未読にて鑑賞。
映画からも原作がしっかりしていて、当初はもっとキラキラした恋愛ものを想像していたが予想以上に辛くなる場面も多く、それゆえに清霞と美世が惹かれ
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ジュリア(s)(2022年製作の映画)

3.2

《人生の選択に正解はない。大事なのは願望ー》
ジュリアの人生を通して、自らのこれまでの分岐点や選択を振り返りながら見ていた。

生きていく中で、何パターンもの「もしも」が存在していて、悔いが残らないよ
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オオカミ狩り(2022年製作の映画)

3.3

《痛快、爽快!》
あまりの血ぶっしゃーに痛快であり爽快!
何も考えずに観れるし、序盤に想像していた展開とはまったく違う着地をするのでそこも見どころかもしれない。
アクション、モンスターパニック、ホラー
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アラビアのロレンス(1962年製作の映画)

4.3

《VFXには出せない熱感と荒っぽさに感服する-》
年配の映画業界関係者がVFXを非難し、論争が絶えないが、幼少期にこのようなスペクタクル作品を観て育った彼らの立場からすると、その憧れが現代でも残るのは
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遠いところ(2022年製作の映画)

3.7

《沖縄の現実と映画的幻想が交錯する力作!しかしそれなりの覚悟を要する作品》

沖縄のゆったりとした時間の流れや海の色、風の音などをうまくカメラで捉えていて、その空気感を壊さないキャスト陣の自然な演技も
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フローラとマックス(2023年製作の映画)

3.9

《また一つダブリンの街角にハートウォーミングなドラマが誕生した》

「音楽は世界を変える!」といったような音楽を特別な存在として描いてる作品はたくさんあるが、今作のフローラが感情の赴くままに音を鳴らし
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名探偵ポアロ:ベネチアの亡霊(2023年製作の映画)

3.2

《クラシカルなホラー要素が魅力的》
毎回世界観の構築がとても良く、その時のストーリーや舞台となる場所を引き立てる色彩や音楽、衣装もこのシリーズの見どころだ。今回はベネチアの陽気な雰囲気に物語のホラーテ
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丘の上の本屋さん(2021年製作の映画)

3.6

《心温まる街並みと彩り豊かな日常》
街並み、合間に入る草原のショット、人々の日常、彼らの表情のすべてが心温かくなり美しい。そして何より本が読みたくなるし、その本が人生の些細な日々に彩りをあたえてくれる
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アシスタント(2019年製作の映画)

3.7

《逃げ場のない窮屈で不穏な90分》
棚の少し奥に置かれているマグカップや引き出しに丸めて入れられている主人公のコート、食べているご飯などから、劣悪で居心地の悪い職場であることが伺える。悩みを打ち明けら
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.9

《SF映画の新時代の幕開け》
前作を遥かに超える視覚効果と劇場が揺れ動くほどの厚みのある音に終始圧倒される。IMAX2Dだったが、大量の砂を浴びさせられた3時間でSF作品が新たな時代のフェーズに突入し
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アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)

2.4

《日本人にはかなり難易度が高いブラックコメディー》
この作品は日本人にはかなり難易度が高い。最近の人種問題に配慮し過ぎるあまり、根本的な解決になっているのか疑問が残る風潮に対して、非常にシニカルに何重
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パレード(2024年製作の映画)

2.6

《せっかくの豪華キャストが勿体ない…。》
脚本だけでなく映画の作りも、「泣かせる」や「感動ドラマ」のニュアンスが強すぎて、感情移入が難しかった。
豪華なキャスト陣も実力を発揮できる役柄や演出とは思えず
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雪山の絆(2023年製作の映画)

3.7

《生きてると実感できるものは何もない》

イーサン・ホーク主演の「生きてこそ」を中学生の時に観て、その当時の衝撃を今でも覚えている。だから覚悟はしていたが、やはり精神的にくる作品であった。

生きる意
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最後まで行く(2023年製作の映画)

3.3

《もっと行ってほしかった》
漫画のようなテンポ感、キャラクター造形、そして煽りまくりなストーリー展開があり、最後まであっという間。所々のドラマチックなセリフやテレビドラマのような音楽が感情にブレーキを
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

4.8

《サスペンス映画の新たな傑作》

まったく隙がない脚本と演出、キャスト陣の演技に、最後のワンシーンまで目が離せず終始翻弄させられた。

近年、多様性が重要視される中で、国籍や人種、セクシャリティ、障害
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

3.9

《33年の時を経ても、とてつもないインパクトを放つ爽快ロードムービー》
今でもかなりのインパクトがあるのに当時映画館で本作を観たの時の衝撃といったらとてつもないものがあったと思う。
単なるガールズロー
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ミス・アメリカーナ(2020年製作の映画)

2.9

《まさに戦士…》

これまでのスーパースターたちも苦労してきた、世間が求めるイメージと自己とのギャップを埋める課題は、テイラー・スウィフトもかなり苦労してきたことが窺える。 影響力が強いため、政治的な
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瞳をとじて(2023年製作の映画)

3.7

《あらゆる部分を観客に委ねながらも物凄く濃密に作られている》

映画のほとんどが何気ない会話によって物語がゆっくり進んでいく。その会話だけで主人公やその会話をしている相手、そして失踪したフリオの過去の
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夜明けのすべて(2024年製作の映画)

4.2

《登場人物達の距離感に作品の優しくも暖かい温度感が心地よい》
16mmフィルムで撮影された映像の質感に主演の2人をはじめとする出演者全員が醸し出す絶妙な距離感や温度感があまりにも心地よくて、観終わった
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ナイアド ~その決意は海を越える~(2023年製作の映画)

3.1

《ナイアドの強靭な精神力にはたくさんの学びがある》

主人公ナイアドの挑戦する姿に誰しもが胸が熱くなるはずだ。
幾度となく失敗して、周りから無謀だと言われても決して諦めず、まさに命懸けで挑んでいくノン
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カラーパープル(2023年製作の映画)

2.5

《オリジナル版が強烈なだけに、ミュージカル化の難しさを感じる…》
オリジナル版の印象が強烈だったため、かなり純度が薄れ物足りなさを感じた。
舞台版ではシンプルな衣装や美術、セットが内容を引き立て、生の
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ポップスが最高に輝いた夜(2024年製作の映画)

4.3

《タイムマシーンを手に入れたら、この一夜に立ち会いたい》

誰もが知る名曲「We Are The World」。
その名曲の誕生秘話やレコーディング当日に密着したドキュメンタリーは以前にも制作されてい
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ラスティン:ワシントンの「あの日」を作った男(2023年製作の映画)

2.9

《個の力が大きくなり、時代を変える》
テンポ感やストーリーには抑揚があり最後まで楽しめる作品だが、この時代の人種差別問題やキング牧師などの黒人解放運動に関する知識がないと、割りと単調なドラマに感じてし
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コット、はじまりの夏(2022年製作の映画)

3.8

《心の隙間を埋めてくれる1本》

コットの視点で切り取られる日常の風景は非常に美しく、温かいものだ。飾らない言葉や些細なできごとが、心に染み渡り、まるで日向ぼっこをしているかのように身体がぽかぽかと温
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女王陛下のお気に入り(2018年製作の映画)

4.1

《人間の醜さを上質な空間で下品に滑稽に描く最高な喜劇》

人間の欲望、野望、そして醜さをこれほど面白く可笑しく仕上げるのは素晴らしい。上質でハイセンスな美術や衣装の中で繰り広げられる下品で滑稽な新しい
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すばらしき世界(2021年製作の映画)

3.5

《不条理なすばらしき世界》
「すばらしき世界」というタイトルがずっと引っかかっている。なぜならこの映画で描かれてる世界は真反対なものであるように思えるから。今作では我々の世界にある不条理さや普段蓋をし
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