人生はベース辛いものである、という世界観から立脚してくれる監督が好きで、チャップリンもその一人。
自殺し損ねたテリーにかけるカルベロ(チャップリン)の名台詞の数々が素晴らしいし、「生きるんだよ!」というメッセージの熱量の高さに泣けてしまう。
この作品にはチャップリンの『風立ちぬ』的な側面があり、登場人物のカルベロは実質チャップリン本人の写し鏡となっており「俺は板の上で死ぬんだ!」という宣言のような作品になっている。
それでいてしっかりと作品の面白さを以前と変わらず保てているのもまた凄い。
チャップリンといえば笑いの人だけれど、個人的にはチャップリンの一番エグい武器は切ないシチュエーションの演出力にあると思っていて、本作もテリーとカルベロの関係性等随所にらしさが出ている。
ライムライトというタイトルもめちゃくちゃカッコいいよなと気に入っている。
チャップリン作品で一番を決めるなら『街の灯』か『ライムライト』に一票。