ユウサク

悪魔がみているのユウサクのレビュー・感想・評価

悪魔がみている(2020年製作の映画)
3.6
三宅隆太推薦作品。
この全く映画と関係ないポスター、イメルダ・スタウントンが出てるからか……。

性暴力描写はほとんど見せない配慮がされているし、なおかつ「てめえが産んでみろやコラ」と凄まじい気迫でガンガン攻めるフェミニズムホラーだったので良かった。冒頭で男が自ら手を縛って寝ている理由は明言されないけど話が進むにつれて理由がわかってくるところとか、それこそ”カタツムリ”とかあんまり説明しない作りも好み。ラストにビジュアルで一発かましてくるところも良い。一番良いのは男を過剰に粗暴に描いたりしないところ。なんなら序盤は可哀想に思えるようなバランスにしてるのが上手かった。巧みに観賞者を印象操作しているし、現実にも同様に印象操作されてる人は大勢いる。性暴力事件があった時にメディアがどこを切り取り、どこを切り取らないのか。

映像に関しては、北欧の映画に思えてくるほどカラートーンが落ち着き過ぎていて退屈しそうになるのもわかるけど薄くグレイン載せてくれていたので最後まで集中できた、はずなんだけど被害者の女性とあの二人組に接点があるのかどうか、何故あの男が加害者であることを知っているのかがよくわからなかった。そこは”運命”ってだけ?
そして『ボーダー 二つの世界』に続いてまたしても物語の最重要シーンに勝手にボカしを入れる日本の幼稚な検閲機構……。映倫がやってんのかなこれ。中学生か?
ユウサク

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