EDDIE

RUN/ランのEDDIEのレビュー・感想・評価

RUN/ラン(2020年製作の映画)
4.5
劇場鑑賞で面白さが最大化される空間限定型スリラー!
差し迫る母の狂気と脅威。
下半身付随の設定を活かした演出が凄い。
行き着く先いずれでも母の恐怖が頭をよぎる。
新人キーラ・アレンの表現力とサラ・ポールソンの神経をすり減らすような怪演に注目!

公開前から期待値の高かった作品です。
アニーシュ・チャガンディ監督の前作『search/サーチ』が大好きで、本作は予告観た瞬間に「絶対面白い!」と確信。
Twitterのタイムラインでも事前評判はすこぶる好評で、期待値はさらに高まるばかり。

そんなもんだから、期待値上げすぎちゃってて大丈夫かな?と不安にもなりましたが、その不安が吹き飛ぶ面白さでした!

前作では主にパソコンの画面上で物語が展開されるという斬新設定&演出でしたが、今回は主人公の女の子が車椅子で舞台がかなり限定されているということからスリラーとしては監督の演出の腕の見せ所といった作品でした。

もうね、凄すぎるんですよ。
本作で俳優デビューとなった主演の女の子クロエ役のキーラ・アレンですが、車椅子生活を余儀なくされてはいますが学業は優秀。夢に向かってひたむきに頑張るといういきなり応援しがいのあるキャラ設定。
一方、もう1人の主人公である母ダイアン役のサラ・ポールソンがとてつもない狂気。
冒頭こそ仲睦まじい親子で幸せな家庭風に見せるのですが、脚本も見事で徐々にこの母親がヤバく見えざるを得なくなるんですね。

あれよあれよとテンポよく、しかしおどろおどろしく謎が深まっていく展開に、見ているこちら側は「どうなっていくんだ!?」と目が離せません。

冒頭のダイアンが子を産むシーンから終盤までの展開、凄まじい緩急で観客を引き込み、騙されてしまいます。

とにかく凄いから観て!と言いたい。
劇場という空間で観るからこそ、緊張感が高まり、一つ一つの演出に唸ることができます。
2021年のベストスリラー映画の一つですね。

※2021年新作映画82本目
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