はぐみ

RUN/ランのはぐみのネタバレレビュー・内容・結末

RUN/ラン(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

監督のファンなので観ました。
やっぱり90分の映画はいい……
90分でこれだけ面白いんだから、監督は天才

主人公は車椅子ユーザーなわけですが、電子工学的な知識があって……というのもたまらんかったです

階段から落ちた後、脚が動くことで勇気をもらうシーンは最高。この監督が描く主人公(前作含め)は不屈の精神を持っており、好感度が高いです

だからこそラストは納得がいかないというか……
インパクト重視のラストで主人公が闇堕ち状態になってしまうと、それまでの主人公を応援していた気持ちが無駄になってしまう気がしました

ただ、作中にもあった「母親が娘を求めるとき、娘も母親を求める」的な台詞を考慮すると、割とアリなのかもしれません
相思相愛でも相思相憎でもない、異様で強烈な固執が主人公から母親にも向けられているのかと思うと、ゾクゾクします
母親にとって、本当の母親との思い出話や自分の知らないところで笑っている娘の話を聞かされるのは悔しいことでしょう

もしそういう意図があるなら、主人公の行動は納得できますが、せめて最後の母親の表情は引き攣っていたとしても【笑顔】じゃないと!
だって一生、娘が自分に固執してくれるわけですから

あの表情だと「自分のためにやっていた」ことになっちゃうんですが、そんな小物だったんでしょうか……彼女は……

とはいえ面白かったです
面白かったからこそ粗が目立った気がします
最後が納得できなかった

どちらかと言うと同じ監督なら前作の「search」派です
観た方はきっとワシントン大学のシーンで「fish N chips……!!!!!」と震えたはず
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