Harumakiさん

RUN/ランのHarumakiさんのレビュー・感想・評価

RUN/ラン(2020年製作の映画)
3.9
【  母の愛からは逃れられない  】

この映画は、母娘の歪められた「愛」を描いたサイコサスペンスです。
序盤は「愛」を育む素敵な家庭として描かれますが、段々と物語が進むにつれ母の異常さが描かれていく、、。最近鑑賞した中ではトップクラスで怖くビビり散らした作品でした。

●「行きすぎた愛」、今作ではいろんな演出によりこの言葉が強調されていました。
家のWi-Fiを遮断、娘の部屋には二重ロック、外に出ないように足の状態を悪くさせる薬などなど、過去に鑑賞した『ミザリー』と言う作品を放物とさせるものが多くあったように感じ、それも現代となって映像やカメラアングルから過去の怖さが何倍にもなっていたように思います。
異常な行動をする母親の顔も、本当に娘のことを思ってやっているように見えてよりサイコ度が上がっていました、、、役作りというものにとても感心しました、、。

●全体を通して話のテンポがピカイチでしたね。
しつこすぎる母親の異常行動もなく、着々と物語が進んでいき、あっと驚かされるような真実は鳥肌もんです。絶望と安心、この二つの激しい組み込み合いは圧巻とさせられますね。
病院での場面、ラストの数十分は本当に心臓バックバクで久しぶりに手汗がやばかったです、、(笑)
色々な恐怖が味わえる大傑作でした、、。

◉まとめ
この作品は異常なまでの「愛」を描いた作品です。「我が子を守る」という強い気持ちから生まれた母親の奇怪な行動は、娘を傷つけ苦しめ自殺までに追い込んでいく。すれ違い遠ざかっていく二人の「愛」は切なくも思ってしまう、、、。
それでもこの作品の圧迫感が途切れない歪んだ恐怖心はどの場面にも強く強く表現されており、人間味のあるサイコホラーとして描かれていましたね。
作品を通して思うことは、一線を超えた先に歯止めなんて存在しない、ということがわかりました、、、、(わかってどうするんだ、、、)

久しぶりの映画でだいぶ重めに感じました、、、、もっとハッピーでふわふわした作品を見たいなぁ、、(笑)
Harumakiさん

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