毒親サイコスリラーの、新たな傑作であるのは間違いないだろう。
しかし、この映画は普遍的な人間が持つ自己中心的な欲望、願望を描いた作品でもあると思う。
車椅子で生活する様子をただ、庇護の下で育てられているわけではなく、彼女自身の生活習慣を何気なく描くことによって、中盤の脱出劇への丁寧な、伏線となっているところも、巧みであると思う。
ラストバトル、親との対峙シーンでは、『クララが立った！！』バリの感動がある。
さらに、刑務所の検問をわずかに、自らの足でくぐりぬけるシーンはとてつもない、カタルシスを呼んだ
そしてラストでは、エンタメとしてこれ以上ない毒っ気を魅せ、今年ベスト10に入る映画だった。
