EDDIE

ビバリウムのEDDIEのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
2.9
子を育て種を存続させるためだけに寝食を繰り返す人類への皮肉。不穏さ漂う98分は劇中のカップル同様にしんどさが増幅する。冒頭15分程で結末は読めたが、それがなんだ。観るのがしんどい。それこそが本作の放たれた意味するところなんじゃないか。

予告段階から期待値高まりすぎていた不穏なホラー(というかスリラー?)映画。
マイホームを買いたいと住宅探しをしているカップル。恋人として2人の遠慮なくそれでいて互いを愛している関係性がわかる冒頭の掛け合いはパーフェクト。
これはジェシー・アイゼンバーグとイマージェン・プーツの巧さがあってこそでしょう。

そして、家を探しに不動産屋に足を運ぶトムとジェマのカップル。営業マンの押し売りに押され、求めてもないのに仕方なくモデルハウスを内見に行きます。
ここから予告通り、モスグリーンのあたり一面同じ景色な住宅街から抜け出せなくなるという展開まではホントにワクワクしました。

しかし、子供が登場してしばらくすると、もう退屈で同じことの繰り返しでしんどい。
冒頭に書いたように人類が繰り返し種を生み出し存続させていく模様を揶揄していると解釈できますが、まぁ98分という長くもない上映時間が長い長い。

まぁとはいえ憔悴しきっていくトムとジェマは俳優2人の力量がいかんなく発揮されたし、子役の男の子の奇妙さは半端なかったです。
いつになったら、このしんどい状況から抜け出せるのか…

ネタバレになるので書きませんが、クライマックス子供の新たな一面が表出されたとき、一瞬だけワクワクが戻ったんですが、その後の展開までワクワクが持続せず…

まぁそういう映画であることも製作陣の狙い通りなんじゃないかと思わされました。
主演の2人も製作総指揮に絡んでいますが、どんな想いが込められてるんだろう。

とにかくこれから鑑賞する人は、カッコウの托卵という習性について知っておくといいでしょう。

※2021年劇場鑑賞30本目
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