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ビバリウムのmimicoのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
3.6
謎の住宅街に閉じ込められたジェマとトムの若夫婦。箱に入れて送られてきたのは生まれて間もない赤ん坊。やたらに成長の早いその子をふたりは育てる羽目になる。そんな不条理な世界から脱出するための試みはすべて失敗し、やがてふたりは精神のバランスを失っていく。

ミステリで言えば典型的なイヤミス。ハッピーエンドではないし、共感できる要素もなく、感動はありえない。
それでもこの作品、嫌いではない。舞台となるのはすべて同じ色に塗られた単調な住宅団地や同じ形の雲ばかり浮かぶ空などの絵本のような世界。しかしふたりを包むのは、それとは対照的な理屈も感情も通用しない暗黒の世界。そんな状況で必死に生きようとするジェマとトムの姿から目が離せなくなり、少しも長さを感じなかった。

登場人物が少ないだけに、若夫婦役のイモージェン・プーツとジェシー・アイゼンバーグの才能と演技が光る。
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