薔薇

春を告げる町の薔薇のレビュー・感想・評価

春を告げる町(2019年製作の映画)
-
福島県広野町や楢葉町の帰還から「今」を撮ったドキュメンタリー映画。

仮設住宅から広野に戻った老夫婦、若夫婦、廃炉作業員、双葉みらい高校の演劇部などを通して「今」の生活が進む。

登場する人達を色んな面から撮ることができていて、ふとした言葉から復興の問題点が見えるくらい非常に多面的な生の生活を見ることができる。その人たちの生活を写すだけで面白い。

衝撃だったのが双葉みらいの演劇。議論や紙の上で繰り広げられる綺麗事の「復興」なんてものが空想でしかない事実を受け止めていて、ちゃんと演劇に落とし込んでいた。

メディアや誌面、政府の「復興」が現実とはかけ離れているのが見えてくる。「復興五輪」という言葉の薄っぺらさも。
だからと言ってこの映画はそれを直接は訴えてこない点にも感動した。普通の生活を撮るだけでもそれが理解できるから。

懐かしい原風景を見れた。
関係ないが、どんど焼きとか一升餅など個人的に懐かしい物も出てきた点も面白かった。
薔薇

薔薇