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アンダードッグ 前編のブタブタのレビュー・感想・評価

アンダードッグ 前編(2020年製作の映画)
4.0
『芸人とボクサー』
嘗て見た一瞬の輝きを求め無様な姿を晒し屈辱にまみれてまで「ボクシング」にしがみつく男・末永(森山未來)と彼の前に現れた才能溢れる若きボクサー・大村(北村匠海)…の話しはまだプロローグであり、この前編の主役は二世タレントで番組の企画でボクシングに挑戦する芸人・宮木(勝地涼)である。

「どうせミッキー・ロークの猫パンチだろ」
今の若い人はもう知らないと思うけど嘗て「TBSボクシング」とも言うべき一連の茶番劇がテレビで放送されていた。
「鬼塚」「ガチンコ・ファイトクラブ」「亀田」等などのバラエティを現実のボクシングに混ぜ込んでガラガラポンした恥ずべき最低テレビ・ゴングショーが繰り広げられていた。
中でも特に有名なのは「鬼塚のタイトルマッチ」「ミッキー・ロークの猫パンチ」か。
🥊=͟͟͞͞( ̳• ·̫ • ̳ฅ)にゃん!
TOKIOのバラエティ番組内の人気コーナー「ガチンコ・ファイトクラブ」は街でスカウトした不良(という設定・笑)達をプロボクサーにするという、その仰々しいナレーションと共にフェイクドキュメンタリーとヤラセ・バラエティの中間のようなある意味シュールなお笑いショーであった。

「竹原さんよ~」
そのガチンコファイトクラブでボクシング監修?と出演素人達(という設定の練習生?)のボクシングコーチをしてたのが本作で宮木のテレビ企画・協賛ジム会長としても登場する元世界チャンピオン竹原慎二氏である。
『アンダードック前編』の「宮木編」はこの一連のTBSボクシングの茶番劇を元ネタにしつつ「ニセモノ」であった筈のバラエティショーがいつしか「本物」となる。
覚えてるのが当時、何かボクシング始めちゃって鬼塚のセコンドに付いてた片岡鶴太郎。
あの酷いタイトルマッチで勝利(?)した鬼塚の横でどっちらけの会場の空気の中「鬼バンザーイ!」とか叫んで「引っ込め芸人!」とヤジを浴びてた。
所詮バラエティの見世物とジムで誰にも相手にされない宮木に唯一トレーナーとして手を差し伸べるボクサー役のロバート山本氏は何と本当にバラエティの企画でプロボクサーライセンスを取りトレーナーライセンスも取ったと本作で知った。
この宮木と山本(役名不明)の二人の物語が前編のクライマックス。
「何者かになる為に」
この「芸人とボクサー」のコンビの挑戦は、現実世界での鬼塚&鶴太郎は罵声を浴びてたけど映画での宮木&山本(役名不明)は一瞬の光を掴み取り喝采の中退場していく。
しかしその光の影で末永は更にどん底へと落ちていく。
後編に続く!ฅ•ω•ฅニャニャーン✧
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