吉太郎

佐々木、イン、マイマインの吉太郎のレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
4.0
絶妙な線の層にのみ響く映画ですなぁ。でも言いたい。これはエモい系ではない。あとこれが響く人と響かない人がいるから、世の中が成り立ってるんだな〜。

佐々木みたいなこういう内に狂気持ってる人の話し方本当に苦手なんだけど、
でも小刻みに頷きながら話すあの仕草する人は好きだな〜〜。
『ゆうじ、やりたいことやれよ。お前大丈夫だから。堂々としてろよ。』
こういう人がふとシリアスに話す時にもうほんと世の中のそのものが全面に現れて怖くて怖くてゾッとしちゃうよね。
苗村さんに会って、目が光っていったのに。

最後、苗村さんがクラクション鳴らし続ける佐々木コールシーン。
まだ俺らはやれる。下向くな。みたいなね。
叫べ叫べ〜。とりあえず上に向かって叫んどこう。
下向いて、鼻に涙たれるくらいなら、ダサくてもイタくても、あんな大人にだけはなりたくねぇ。って言いながらあんな大人になっちゃってこうよ。
クラクション大泣きしながら鳴らしたあなた、生きていけるよ。
最後もうほぼ吐きながら叫んでるゆうじには鳥肌立ったな。

佐々木!佐々木!
青春の『ガワ』を持った狂気のリアル。
根本的な暗さ、目も当てられないむごさ。みんなが気づかないふりしてる世界、無視されている世界。
佐々木よ、あの時どんな顔でカップラーメンにお湯注いでた?クソうめぇよってどんな気持ちで言ったのよ。
ここでは何が真実かってどうでもよくない?あの瞬間を一緒に生きて、いくら時が経っても、第三者に無意識にしょっちゅう話しちゃうほど好きだし愛しいと言うこと。どんなにどん底でも、そういう時代が彼らにはあったということ。それが全て。
パワープレイで説教くさい何かに誘導していないのがとても良い。

★よかったもの
ピコのTシャツ
鍋から直でカップラーメン作る感じ
ゾッとする思いで見つめてる。
あのカレンダーな〜。
換気扇ね、はい。
ドゥビドゥビードゥビドゥビドゥビドゥビ〜♪
行かない。くそうめぇよ……。
吉太郎

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