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佐々木、イン、マイマインのすみのレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
4.0
感情のボルテージが上がっていく演出や、過去と未来が行き交う繋げ方に引き込まれた。最後の台詞叫ぶシーンほんと好き。
音楽もいいから、劇場で見たほうが心に残りそう。

何の根拠もない言葉が、自分の背中を押してくれることってある。
この人の言うことはすんっと心の中に入ってくるというか。
悠二にとっての佐々木はきっとそういう存在で、役者になるきっかけをくれたのも、背中を押してくれたのも、ずっと燻って停滞していた自分に前に進むチャンスをくれたのも、佐々木。
悠二が思い出す佐々木がとことんいいやつなところをみても、気まずくなったとはいえ、かけがえのない友人だったんだろう。
悠二の前では少しだけ弱みを見せていたところを見ると、佐々木にとっても大切な友人だったはず。

学生時代におどけて人気者になるタイプって、家庭環境に問題があったりする子が多いイメージ。
可哀想と同情されることをひどく恐れて、大丈夫じゃないのに去勢を張って強がって、明るく振る舞うのに自分自身を諦めている。そういう子がどんどん社会的に堕ちていくしかない感じも、すごくリアルだった。

「できるからやるんじゃない、できないからやるんだろ」
「不器用でできなくて何がダメなの?」
「人は1人でいるときだけが寂しいんじゃなくて、誰かといる時も孤独を感じる生きものだよ」
「表に立ったら、自分で輝け」
「世界はどうしようもないスピードで進んでるんだ。ついていかなきゃ。でも、サヨナラも言えないほど速くはないよ。」

悠二の今後の人生に幸あれ。

藤原季節と萩原みのりが大好きだから、キャスト時点でもうめちゃめちゃ私得な映画だった。
萩原みのりはこの作品がきっかけで内山監督と結婚したのかな?
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