佐々木がコールで裸になるのって、着飾っていない生まれたままの自分のをみんなに見てほしかったからなのかもな。
父子家庭だけどほとんどひとりぼっちな佐々木にとって悠二たちが唯一自分でいられる場所だったのかも。
そう考えると佐々木が歌っていた中島みゆきの「化粧」も切なく思える。
『バカだね あたし 愛してほしいと思ってたなんて バカだね あたし 愛してもらえるつもりでいたなんて』
これはお父さんに向けての心の叫びだったんだろう。
そしてそんな佐々木は悠二にとっての青春そのものであった。
いつもバカなことばかりして、くだらないことにムキになって、でもたまに寂しい顔を見せる。それこそ青春なんじゃないだろうか。
物語の最後、青春に別れを告げた悠二は彼女に本当の思いを告げる。スーツにスリッパというアンバランスな姿でも、ボロボロになっても自分の気持ちを相手に伝えるのが大人なのかもしれない。
青春に縛られた悠二が大人に1歩踏み出す物語だった。
【今日の一言】
登場する俳優さんたちがみんな今泉力哉監督作品の人でびっくり！
