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佐々木、イン、マイマインのmkのレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
3.7
就活が終わって、就職が決まった。満足している一方で、芸術を仕事にすることや文化人への憧れを捨てきれない自分がいる。そして、こういう映画を観ると、自分の選んだ道は、側から見ると、何の変哲もないサラリーマンなのかと思うと、なんだか悲しくなってくる。映画に出てくる脇役サラリーマンには、アイデンティティが全くない。企業に属して働くって、そんなにもつまらないことなのか。自分のやりたいことをしっかり考えて選んだ企業なので、こういう映画のサラリーマンポジションにはならず、生き生きと過ごせたらいいな。

映画の感想としては、なんか上手い映画だと思った。この佐々木を取り巻く男子たちの環境は、すごくホモソーシャルで、いつもならば嫌悪感を抱くのだけど、正直なところ、不思議とその嫌な感じは感じはしなかった。あの場にいたら、すごく最悪だろうけれど。中高時代は女子校で過ごしたので、リアルな空気感がよくわからない。あとは、音楽の使い方が洋画っぽくて好き。

しかし、女性の描き方は結構微妙。例えば、ユキは典型的なずるい女タイプで人物造形が適当すぎるし、木村と一ノ瀬灯が結ばれたのは、話のまとまりとしては良かったけれど、主婦として登場した時は、なんだかがっかり。手に入れたぜ!感があって、なんとも男性中心的。

冒頭の私の嘆きに少し戻る。「人生を1本の映画と捉えて生きよう」みたいな格言ってあるけれど、映画を観る度に思うのは、私みたいな、(今のところ)そこそこ順風満帆な人生を送ってる人って、側からみたらめちゃくちゃつまらないよな、ということ。
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