佐々木のようなタイプの男子はきっとどこの学校にでも大抵1人はいる。
みんながみんなそういう人なのかはわからないが、佐々木はいつだってお調子者で純粋で負けず嫌いで素直で、痛々しいほどに真っ直ぐで、圧倒的な存在感があった。
でもきっといつだって胸の内では孤独だったはず。
劇中の「人間は誰かといても孤独を感じる」という言葉がとても印象に残っている。
佐々木のように表向きでは明るく悩みを抱えていないような、いわばピエロのような人でも孤独を感じ、悩みも抱える。
自分で自分を言い聞かせ、
弱さを表に出さず皆が思う自分を“演じている“部分が、佐々木にはあったのではないのかなと。
なかなか家に帰ってこない父が帰宅した時の佐々木の動揺した表情、目線、ぎこちない会話。
真夜中に一回だけ一緒にプレイしたゲーム。
佐々木の普段見えない内側が見えたと同時に、切ない気持ちが流れた。
佐々木が涙を流しながら「やりたいことやれよ」と悠二に放った言葉は、悠二のなかで何年も生きてるのではないかな。
それはきっと自分にとっての大きな原動力になる。
なんでもない日常は過去になり振り返ると、あの頃は楽しかったと思うなんてのはよく聞く話。
そんな過去の思い出を特別に思い、心の内に大切にしまっておきたいと感じられる映画。
